未支給年金には税金がかかる?年金と相続税の関係のまとめ

我々人間はとして、生きていればいつかは働けなくなる時が来ます。その時が来て仕事を退職すると、自ら働いて受け取ったお金の代わりに、今まで貯めてきたお金や納めてきた年金で暮らしていくことになります。

そしていつかは、この世に別れを告げるときが来ます。しかし存命中に予定された年金を満額受け取れるかは分からないもの。もし受け取れていない年金があったらどうすれば良いのでしょうか。遺族がその年金を相続したら税金はかかるのでしょうか。この記事では、年金の未収金を相続する時の税金について説明いたします。

未支給年金には税金がかかるのか? 大切なポイントまとめ

  • 国民年金や厚生年金などの公的年金は相続税の対象外。公的年金はその仕様上、必ず未収金が発生する
  • 遺族基礎年金は非課税で遺産分割の対象にもならない。同様に寡婦年金、死亡一時金も非課税
  • 企業年金は相続税の課税対象。在職中に亡くなった場合と退職後に亡くなった場合で課税される範囲が異なる
  • 個人年金にも相続税がかかる。手続きの方法は保険会社によって異なる
  • 税理士に相談するメリットとして、時間の削減や控除制度の適切な適用、適切な税額算定、税務調査時に対応してもらえることがあげられる

年金の種類で取り扱いが異なる

相続では、年金が相続税の対象になるかが問題となります。一般的に、死亡時点で未収金になっている保険金は相続税の対象となります。しかし、未収金は誰のものに該当するかという点で特有の考え方があるため注意が必要です。また、公的年金と私的年金では、相続税の課税に対する考え方が異なるため、混同しないように注意してください。

公的年金の場合

公的年金は相続税の対象外

国民年金や厚生年金などの公的年金は、偶数月の15日に前月と前々月分が一括で支給されます。支給は翌月移行になるため、必ず未収金が発生します。遺族が受け取る未収金は財産として引き継ぐため、一見、相続税の対象になるように思われます。 しかし、実際は相続の対象にはなりません。その理由は、公的年金は受給者と家族の生活を保障するためのものであるため、課税対象ではないのです。

偶数月に亡くなった場合の考え方

まずは、偶数月に亡くなった場合について解説します。4月22日に死亡した場合は、6月15日に4月分が支給されます。

奇数月に亡くなった場合の考え方

次に、奇数月に亡くなった場合について解説します。5月22日に死亡した場合は、6月15日に4月・5月分が支給されます。

チェックポイント

国民年金や厚生年金などの公的年金には相続税がかからない。公的年金は支給が次月以降となっているため、必ず未収金が発生する。

公的年金の手続きの方法

年金受給者が亡くなった後に「年金受給権者死亡届」を提出します。死亡届の提出先は、年金事務所または年金相談センターです。速やかに手続きを済ませなかった場合は、年金の不正受給というトラブルに発展するため、速やかに手続きを済ませましょう。

必要な届出添付書類様式
死亡の届出故人の年金証書
戸籍妙本・死亡診断書・死亡届の記載事項証明書
年金受給権者死亡届
未支給年金請求の届出故人の年金証書
戸籍謄本等
世帯全員の住民票
金融機関の通帳
生計同一についての別紙の様式
未支給請求書

なお、日本年金機構にマイナンバーを登録済みの方は、上記の手続きを省けます。

死亡届を提出する際の注意点

  • 生計を一緒にしていた遺族が年金を受け取ることができます。優先順位は高い順に、配偶者>こども>両親>孫>祖父母>兄弟姉妹となります。
  • 死亡届の提出が遅れてしまうと、多く受け取り過ぎることになり、後で返金しなければいけなくなってしまいます。そのため、死亡届は速やかに提出してください。
  • 未収金は一時所得に該当するため確定申告が必要です。確定申告漏れをした場合は脱税になってしまうため、確定申告時には受け取った金額を必ず確定申告で申請するようにしましょう。支給金を受け取る年分において、一時所得の金額の合計額が50万円以下である場合には確定申告が不要です。(一時所得には50万円の特別控除があるため、未収金だけで課税されることは少ないでしょう。)

遺族基礎年金は非課税

遺族基礎年金とは、国民年金に加入していた被保険者が亡くなった場合に、子供がいる配偶者や子供がもらえる年金のことをいいます。支給条件は、被保険者が生活を維持して、家計を支えていたということです。子供が支給を希望する場合は、18歳未満か20歳未満で、障害年金を受給していて、その等級が1級か2級であることが必須です。

遺族年金の受給権も遺族固有の権利ですので、遺産分割の対象とはなりません。また、相続税もかからないのです。 先ほども述べたように、遺族の最低限の生活を保障するという目的のものなので、相続税の対象外となるのです。他に収入がある場合や遺族が自分の年金を受給している場合も、完全に非課税です。その他、寡婦年金・死亡一時金も遺族年金と同じく非課税です。

【遺族年金の手続きで提出する書類】
年金請求書住所地の市区町村役場、年金事務所
年金相談センターなどでももらえる
年金手帳提出できない場合は、その理由を述べる
世帯全員の住民票の写し死亡者との生計維持関係、住民票コード確認のため必要
死亡者の住民票除票世帯主全員の住民票の写しに含まれている場合は不要
請求者の収入が確認できる書類生計維持認定のため必要
子供の収入が確認できる書類義務教育終了前は不要
死亡診断書のコピー死亡の事実および死亡年月日の確認のため
受取先の金融機関の通帳預金通帳の確認のため
印鑑認印でも可能

企業年金の場合

企業年金は相続税の課税対象

私的年金は、相続税の対象になります。企業年金は、公的年金の支給を補う目的で勤務先の会社から支給される私的年金です。企業年金は相続税の課税対象となりますが、在職中に亡くなった場合と退職後の年金受給中に亡くなった場合では、課税される範囲が異なります。

在職中に亡くなった場合の企業年金

在職中に死亡した場合は、企業年金は死亡退職金として支給され、相続税の対象となります。しかし、死亡退職金には非課税限度額が決められており、500万円×法定相続人の人数の金額の範囲であれば、税金はかかりません。

退職後の年金受給中に亡くなった場合の企業年金

企業年金の未収分は定期金に関する権利として、相続税の対象になります。死亡退職金のように非課税限度額は適用できないため注意してください。定期金に関する権利の価額は、解約返答金の金額、一時金として受給する金額、将来受給できる年金を現在の価値に直した金額のいずれか多い金額で評価します。

企業年金の手続きの方法

被保険者が亡くなられた場合は、その旨を速やかに連合会にご連絡ください。連合会から「企業年金連合会老齢年金受給権者死亡届」の用紙が送られてくるので、必要事項を記載して、年金証書を添付して連合会に送り返します。

連合会では、死亡届を受付してから、当該書類の審査・処理を経て、その後に「失権通知書」を送付する流れとなりますが、2か月~3ヵ月ほど手続きに要します。

【死亡届の郵送先】
〒105-8772東京都港区芝公園2-4-1芝パークビルB館10階
企業年金連合会年金サービスセンター年金相談室宛

チェックポイント

企業年金には相続税がかかる。在職中に亡くなった場合は死亡退職金として支給されるが、非課税限度額が決められている。

一方退職後の受給中に亡くなった場合は、非課税限度額は適用できない。

個人年金の場合

個人年金は相続税の課税対象

個人年金とは、保険会社と被保険者で契約をして、保険金を年金として支給してもらう形態を言います。個人年金は、被保険者が生きている間に保険金を受給できるものと、死亡保険金として支給されるものがあります。それぞれ、相続税の対象になるため注意しましょう。

個人年金の場合、相続税を計算する基になるのは「年金受給権」です。年金受給権は、相続税法第24条の規定により、解約返戻金、一時給付金、予定利率により計算された支給総額の3つの中で、総額が高いものが相続財産とみなされます。相続税対策に使えるかどうかは、保険契約内容によって異なりますが、存命中に個人年金を受け取ることができれば、その一部を所得税の計算から控除されます。

ちなみに、保険料負担者が被保険者ではない場合、年金受給者が保険料負担者が取得することになれば所得税として、保険料負担者以外が取得するなら贈与税として処理されることになるので、違いを覚えておきましょう。

個人年金の手続きの方法

被保険者が亡くなった場合は、保険契約の権利義務の相続、保険料振替口座および保険金等振込先口座の変更、新たな保険金受取人の指定を行います。なお、必要書類や手続き方法は、保険契約の内容によって異なるため、契約先の保険会社に相談をしてみてください。

個人年金では、10年や15年など一定期間の支給期間内であれば、受給者の生死に関わらず、年金が支給されるものがあります。このような形態の年金では、未収金が高額になることもあります。たとえば、支給期間が15年あるとき、受給者が5年目に死亡した場合は、10年分の年金が未収金となるのです。未収金が高額になる場合は、相続税の税額計算に大きな影響を及ぼすことになるため、注意してください。

チェックポイント

個人年金には、被保険者の存命中に保険金を受給できるもの、死亡保険金として支給されるものの両方に相続税がかかる。手続きの方法は保険会社によって異なる。

一定の支給期間内に受給者の生死を問わず受給できるタイプのものに関しては、死後余っていた機関の年金がまとめて未収金となり、高額になるおそれがあるので注意。

税理士に相談するメリット

相続をする場合は、さまざまな法律が影響しているため、知識がないまま手続きを進めてしまうと不正受給などのペナルティを受けてしまうことになりかねません。また、どのようにすれば、税対策につながるかも親身に相談に乗ってもらうことができるでしょう。

実際に、死亡届を7日以内に提出しなければ、ペナルティの対象となります。このようなことを防ぐためにも、相続をする場合は自己判断で相続の手続きを進めずに、税理士などの専門家に相談をしてみてください。税理士に相談するメリットには次のようなものが挙げられます。

  • 時間の削減
  • 控除制度の適用
  • 適切な税額算定
  • 税務調査時の対応

時間の削減

相続税申告に係る事務書類の整理には、税理士の方が代行する場合でも時間がかかります。このような手続きを素人が行おうとすると莫大な時間がかかってしまうかもしれません。このような手続きの手間を省くためにも税理士に依頼してしまった方が楽でしょう。

控除制度の適用

相続税の申告においては、基礎控除以外にも配偶者の税額軽減など特別控除を適用することで相続税が減額できる控除制度が多数存在します。これらの控除制度は厳しい要件が設けられており、毎年少しずつ内容が変わるため、一般の人が自己責任で計算するにはハードルが高いでしょう。税理士であれば、細かく規定された要件を満たしているかを細かくチェックして、控除制度を適用してくれます。

適切な税額算定

余分の多く納めた税金は、一定期間を過ぎると戻ってこなくなってしまいます。多く払い過ぎていることに気付ける機会すらないかもしれません。少なすぎる納税は、税務調査後の追徴ペナルティを招きます。本来の税額に数割のペナルティが上乗せされることとなります。

税務調査時の対応

申告日より最長7年間は、税務調査により細かなチェックをされる可能性がありますが、その時の立ち会ってくれるのが税理士です。税務署との建設的な協議の上、誰もが得心のいくところに話を落とし込めるのは税理士ならではと言ってもよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、未支給年金に関する税金や手続きの方法についてのお話をしました。

人間生きていれば、いつかは働けなくなる時が来て、そしてこの世に別れを告げる時が来ます。しかし自分がいなくなった後も、遺族は生きていかねばなりません。受け取れなかった年金に関して、しっかりと知識を持っておきましょう。

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