永代供養を行った場合も法事を行う?

永代供養は、子孫代々にお墓の管理という負担をかけないとして、新たに認知され始めた供養の形です。最初に永代供養料を支払ったあとは、寺院や霊園に遺骨の管理を任せてしまいます。

では永代供養を行った場合でも、法事を行うのでしょうか。行うとしたら、その法事にはどのような意味があるのでしょうか。永代供養と一般供養からおさらいしていきましょう。

永代供養での法事についておさえておきたいポイント

  • 一般供養に比べ、永代供養では管理費が発生せず、墓の継承が不要で、宗教や宗派の制限がない
  • 永代供養では合祀では遺骨を取り戻せず、親族や菩提寺の理解を得にくいというデメリットがある
  • 年忌法要や四十九日法要、初盆等の法要も行われる
  • 故人の徳を高めたり、親族のつながりを深めるために個人でも法要が行われることも
  • 永代供養で法事をするときは余裕をもって日程などの連絡をし、法事を行う場所を決めるのがポイント
  • 菩提寺があって、法事を利愛する寺院が別の宗派であるなどの場合は事前に確認するのが良い。

永代供養とは?

立てられた線香の写真

最初に料金を支払えば、墓地の管理や供養は全て寺院や霊園が行ってくれるシステムです。永代と言っても永遠に供養を行うのではなく、供養をお願いした霊園や寺院の運営が続く限り供養を行うというものです。 霊園によって契約内容は違いますが、一般的には一定の期間まで個別の供養を行うけれども、一定の期間が過ぎた後は他の遺骨と共に合祀されて供養されます。 供養の期間で設定されているのは、年忌上げに当たる33回忌までとされているところが多いです。

永代供養と一般供養はどこが違う?

一般の供養とはどこが違うのでしょうか? 大きな違いは以下があげられます。

  • 将来的に管理費が発生することがない
  • 墓の継承権がいらない
  • 宗派や宗教に制限がない
  • 費用が格段に安い

将来的に管理費が発生することがない

最初に永代供養料を支払い遺骨を寺院や霊園に預けます。 支払う料金には、遺骨の管理費や将来の供養の料金も含まれていますので、最初に支払ったお金の後に、管理費などが発生することはありません。 個人でお墓を建てる場合は「永代使用料」を寺院や霊園に支払います。

永代供養料と永代使用料は似ていますが、内容は全くちがいます。 永代使用料は、お墓を建てる土地を使用する権利を得るために払うお金です。永代供養と同様に寺院の運営が続く限りお墓の土地を使用する権利を買うことを意味します。 永代使用料を支払った後も管理費が発生します。管理費は毎年霊園に支払うシステムが多く、管理費の支払いが途絶えた場合は、永代使用権を持っていても墓は整理されて、無縁墓になってしまいます。 個人での供養の場合は、お墓の土地を購入した後に、墓石を購入して墓を建てます。お墓を建てた後は、霊園の管理費用を毎年支払わなければなりません。

墓の継承権がいらない

子孫がいなくてもお墓は継承できます。血縁関係が存在しなくても、お墓は継承が可能ですし、継承によって相続税がかかることもありません。 しかし、墓の継承者がおらず、管理費を支払えない状況になってしまったら、墓の永代使用権が取り消しになって無縁墓となってしまいます。 子孫がいない方や、子孫に負担をかけたくないと考える方が、お墓の継承権の必要がない永代供養を選択しています。

宗派や宗教に制限がない

先祖代々の墓がある菩提寺との付き合いや、新しい霊園でお墓を建てる時にも、宗派によって制限があるところもありますが、永代供養を行っている寺院や霊園では基本的に宗派による制限や、宗教による制限がないので、基本的には誰でも供養をお願いできます。

費用が格段に安い

永代使用料を支払って墓の土地を購入しても、やはり一般供養でお金がかかるのが墓石の購入です。永代使用料の相場が50~70万くらいとされていますが、墓石を購入すると永代使用料に加えて100万円以上のお金が必要になります。 永代供養料の相場は、個人での供養と合祀での供養で価格に差がありますが、相場は30~100万円程度なので、一般の供養と比較すると費用は格段に安くなります。 また、一般供養は永代使用料を支払っても、毎年霊園の管理費が発生するので、将来的な管理費の支払いを考えるとさらに費用は安くなっています。

永代供養の注意点

花束が手向けられたお墓の写真

トラブルになりがちな点についても知っておく必要があります。特に以下のような点には十分注意しましょう。

  • 合祀の場合は遺骨を取り戻すことができない
  • 親族から理解を得られない場合もある
  • 菩提寺との関係はどうなるか

合祀の場合は遺骨を取り戻すことができない

永代供養と言っても、供養の方法は様々で、個別の墓での供養や、納骨堂などで遺骨をそれぞれ管理する方式と、他の方の遺骨と一緒に納骨する合祀があります。 合祀で供養をお願いした場合、合祀した後に遺骨を取り戻そうと思っても、

  • 全ての遺骨が混在している中から故人のものを取り出すことは基本的に不可能です。
  • 合祀をお願いする場合は、十分理解しておく必要があります。

    親族から理解を得られない場合もある

    先祖代々の墓がある場合、昔からの墓があるのにわざわざ永代供養をする必要はないと考える人もいるでしょう。また、個人墓という供養の方法はありますが、合祀の場合は、シンボルとなる個人の固有の墓が無いことについても理解されない場合があります。

    菩提寺との関係を考える必要がある

    今まで菩提寺の敷地に墓があったものを永代供養に切り替えるためには、菩提寺で合祀してもらうか、菩提寺にある墓を墓じまいして他の霊園に遺骨を移す方法があります。 墓じまいをして、別の霊園に移動させるのは、今まで檀家となっていた菩提寺を離れることになるので、菩提寺から離檀料を請求されます。檀家が減ることは菩提寺にとっても、大きな問題になるので、供養の方法を変更する時には、十分に相談を行うことが必要です。

    永代供養の法要は?

    契約によって期間や行われる法要の種類も違いますが、一般的に行われる法要を説明します。

    • 年忌法要
    • 四十九日法要
    • 初盆(新盆)

    年忌法要

    年忌法要は毎年行われるものではなく、亡くなられてから一年目を一回忌、3年目を3回忌として、その後は7回忌、13回忌、23回忌、27回忌、33回忌と続きます。後に50回忌の法要もありますが、33回忌が弔い上げとされていて、年忌法要は33回忌まで行う場合が多いです。 一定期間は個別で供養を行っていても、33回忌の節目で合祀に切り替える霊園や寺院が多いので、いつまで年忌法要が行われるかについては契約書で確認しておかなければいけません。

    四十九日法要

    亡くなられた年を節目として行う年忌法要に対して、亡くなられてからの日数で法要を行うのが忌日法要です。 忌日法要は、省略されることも多いですが、中でも重要な法要とされているのが、亡くなられてから7日目の初七日法要四十九日の法要です。 初七日法要は、葬儀の際に繰り上げ法要として行われるのが一般的になってきており、四十九日法要のタイミングで納骨するケースが多いので、忌日法要を行うことは少ないです。

    初盆(新盆)

    初盆は、故人が亡くなられてから初めて迎えるお盆の法要です。お盆前に亡くなられた時は、当年のお盆、お盆が過ぎて亡くなられた時は翌年のお盆が初盆です。 お盆の時期に行われますが、故人が霊として初めて家に帰って来るとされているので、通常のお盆とは違い、法要の一つと考えられています。 初盆の供養は契約に含まれていないところも多いので、契約書を確認してみて、初盆の供養がない時は、自分たちで法事を行います。

    個人で法要を行う意味

    法事のときの僧侶の写真

    霊園や寺院に永代供養をお願いしていながらも、年忌などは個人で法要を行う方もいらっしゃます。 全ての法要をお任せするのではなく、個人で行うのは何故でしょうか?

    追善供養で個人の徳を積み上げるため

    永代供養を希望する方の理由は様々ですが、多いのはお墓の継承権や、管理費などで子孫の手を煩わさせたくないと言う方が多いです。 子孫に負担はかけたくないけれども、自分が生きている間は、供養は寺院や霊園に任せきりにしないで、自分たちの手で行いたいという考えの方も多いのです。

    そして供養の考え方ですが、普通に故人を供養するだけではなく、遺族や親しかった方が手を合わせて供養することにより、故人の徳が積み上げられて、極楽浄土に行けるというものがあります。 これは追善供養と呼ばれるもので、命日や回忌に子孫や親しい方が故人の冥福を祈ることが、仏教では善を積み重ねる行為と考えられているのです。

    親族の繋がりを深めるため

    通夜や葬儀には参列していた親族も、故人との繋がりが途切れてしまうと、亡くなられた後はなかなか会う機会がなく、疎遠になってしまうことが多いです。 とくに遠方に住んでいる親族とは、葬儀を最期に全く会わなくなったということも多く、年忌供養で親族が集まるのは、親族の繋がりを保つためにも大切な機会であると言えます。

    契約に入っていない法要を行う時

    契約時にどの供養が行われるのか確認して、預けている寺院で行われない供養を、遺族が個人で行う場合があります。年忌などの供養については行うけれども、初盆は契約に含まれていないというところも多いので、初盆は自分たちで行うと考えている方も多いようです。

    チェックポイント

    永代供養をしていても、故人の徳を高めるためや、親族同士のつながりを深めるために個人で法要を行うことがある。また、初盆など契約に入っていない法要も、故人で行う必要がある。

    永代供養の法事を事前打ち合わせるときのポイント

    永代供養を行っていても個人で法要を行うことができます。

    法事の日程を決める

    一周忌や三回忌などの法事を行う日程を決めます。直前に連絡するのではなく、ある程度余裕を持って日程を決める方がいいので、法事を行う半年くらい前には、管理者に連絡を入れておくのがいいでしょう。 連絡する際には、契約書を確認しながら行います。 法事の日程が決定したら、2ヵ月くらい前には招待する親族に招待状を送ったり、電話で連絡を入れて、出席できるかどうかの確認をしておきます。

    法事を行う場所を決定する

    霊園で法事を行うのか、自宅で行うのかなど法事を行う場所を決定します。 霊園内で供養を行う場合、親族と会食ができる場所が霊園内にあれば利用するのかどうかも決定しておきます。

    チェックポイント

    個人で法要を行うときは、余裕をもって日時を決めて親族や管理者に連絡をし、法事を行う場所を決めるのがポイント。

    菩提寺がある場合は注意が必要

    先祖代々から菩提寺との付き合いがある方も少なくありません。もしも菩提寺との付き合いがあるのなら、法事の際に墓前で読経をしてもらう時は、注意が必要です。

    永代供養を行っている霊園は宗派を問わないところが多いので、法事の際に菩提寺の僧侶に来てもらい墓前で読経してもらうことは問題がないと思いますが、逆に、菩提寺ではない寺院に年忌などの供養をお願いしている場合、菩提寺と宗派が違うのであれば、法事を行ってもらうことに問題がないかどうか確認をしておくことで事後に余計なトラブルが発生することを防ぐことができます。

    チェックポイント

    菩提寺との付き合いがあり、菩提寺ではない違う宗派の寺院に年忌などの供養をお願いする場合は事前に確認をするべき。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。今回は永代供養の際に行われる法要についてのお話をしました。

    永代供養をお願いしていても、故人の徳を高めるためや遺族のつながりのために法要を個人で行うこともあるようです。お墓などの形にとらわれずとも、故人を思う気持ちは忘れないでいたいものですね。

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