葬儀に付き物とも言える焼香・献花のマナーについて

葬儀において焼香・献花は付き物であり、宗教や宗派に問わずいずれかが行われることが一般的です。周囲を見渡すと誰もが常識のように焼香・献花を行っていますが、厳密に見ると間違った作法で行っていたり、マナー違反を犯していることも少なくありません。この記事では、焼香・献花を行う際のマナーについて解説すると同時に、それぞれを行う理由についても触れ、焼香・献花に対する理解を深めていただけるようにまとめていきます。

焼香・献花の成り立ちと、葬儀において行われる理由について

焼香・献花のマナーを守り、正しく行うためには、その成り立ちについて理解を深めることも重要です。まず焼香は、仏教における葬儀の際に必ず行われるものです。心身の汚れを取り除いた上で死者と対面し、美しい心を持って仏に合掌することを目的に焼香が行われています。焼香の由来は、仏教が開かれた約2000年前に遡ります。当時は当然のことながらエアコン等の設備が無く、遺体は死後数日が経過すると強烈な悪臭を放っていました。この臭いをごまかす言わば消臭剤の一つとして、焼香の習慣が始まったと伝えられています。

また、仏教の世界では仏は香りを食べるという考えが一般的であり、食べ物や飲み物といった生身の人間が口にできる物ではなく、より高尚な香りを死者に捧げるという意味合いも持ち合わせています。葬儀に限らず、仏壇に面した際にも焼香を焚くのはこのためです。

一方の献花は、キリスト教や無宗教における葬儀で行われます。献花は焼香と異なり、宗教上の何らかの理由を持って始められたものではありません。あくまでも焼香の代わりとして行われているため、教会によっては献花を行わないという場合すらあります。

焼香と比較すれば華やかな印象が強いため、葬儀だけではなく慰霊祭などのイベントで献花台が設けられる機会も多くなっています。キリスト教や無宗教の葬儀では、一人一人の参列者が時間を取って死者と向き合える時間は限られますが、献花を行うことによってその分をカバーすることが可能になります。

焼香・献花を行う際に守るべきマナーと正しい手順について

続いて、焼香・献花のマナーと作法について触れていきましょう。細やかな作法は宗派や地域によって異なりますが、ここでは葬儀においてごく一般的な抹香による焼香の手順について、極めて基本的な順序をお伝えしていきます。

まずは祭壇の手前で立ち止まり、遺族や僧侶に対して一礼を行います。その後祭壇の前へと進み、焼香台の一歩手前で遺影を見つめたあと、焼香台のすぐ手前まで進んで合掌します。抹香を手に取る際には、右手の親指・人差し指・中指の三本を使うことがマナーです。

抹香を三本の指で摘まんだら、そのまま一度目の高さまで指を押し上げてから下ろし、香炉の中央に向かって落とします。この動作を1~3回ほど繰り返すことになりますが、真言宗や日蓮宗では3回と定められています。焼香が済んだら再び合掌し、一歩下がって遺族や僧侶に一礼し、席に戻って終了となります。

献花の場合にも基本的な作法は焼香と同様であり、まずは遺族に向かって一礼してから花を受け取ります。この際には右手は上向き、左手は下向きとし、花を包み込むように持つことがマナーとされています。献花台には、花の根元が祭壇の方向を向くように手向けて下さい。

献花台に花を手向けた後は、深く一礼をするだけで下がっても構いませんし、合掌して黙祷しても構いません。キリスト教の信者の場合には、献花台の前で十字を切ったり、胸の前で手を組むといった動作を行うこともありますが、これは必ずしも必要なことではありません。献花が終了したら遺族に再び一礼し、席に戻りましょう。

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